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2026.09.24
【事例】L社|業務棚卸しを「選ぶだけ」のチェックリストにした研修
※お客様のご意向により社名は仮名で掲載しています
AI研修の前に「業務で困っていることを自由に書いてください」とお願いしても、思ったほど回答が集まらない。業務の棚卸しでつまずく会社は少なくありません。
本記事では、事務・営業系企業のL社で、CES UPが業務棚卸しを「こんなことやってませんか?」と問いかける選択式のチェックリストに変えた研修設計の工夫を紹介します。NotebookLM(現:Gemini Notebook)を使ったマニュアル統合の回も含めて、CES UP取締役で生成AIアドバイザーの灰藤 健吾が解説します。
- 業種:事務・営業系企業
- 課題:「困りごとを自由に書く」形式の業務棚卸しでは、AIで改善できる業務が出てきにくい
- CES UPの支援:棚卸しを選択式のチェックリストに変更し、NotebookLMでマニュアルを統合する研修回を実施
- 結果:研修アンケートで難易度「ちょうど良い」が83.3%(回答12件のため参考値)
ご支援前の課題:自由記述の棚卸しでは業務が出てこない
業務棚卸しを自由記述で行うと、AIで改善できる業務がなかなか出てきません。これはCES UPが研修の現場で感じてきた課題で、L社でも棚卸しの方法を見直すことにしました。
自由記述で業務が出てこない理由は、主に3つあります。
- 当たり前の作業は困りごととして意識されない:毎日続けている作業ほど「そういうもの」と受け止められ、改善の対象として思い浮かびにくい
- AIで何ができるかを知らないと書けない:改善できるイメージがない業務は、そもそも候補に挙がらない
- 書くこと自体の負担が大きい:業務の合間に文章で説明するのは手間がかかり、回答が短くなりがち
CES UPの切り口:棚卸しを「選ぶだけ」のチェックリストに変える
CES UPの切り口は、棚卸しを「自由に書く」から「当てはまるものを選ぶ」に変えることでした。これは「棚卸しは選択式で」というCES UPの支援メソッドで、「こんなことやってませんか?」というチェックリストで業務を拾い出す方法です。
選択式にするもう1つの利点は、質問そのものが「AIでこんなことができる」という学びになることです。チェックリストに答えるだけで、受講者は自分の業務のどこにAIを使えそうかを自然に考え始めます。
実施したこと:選択式の棚卸しとNotebookLMでのマニュアル統合
L社の研修では、選択式チェックリストによる業務棚卸しと、NotebookLMを使ったマニュアル統合の回を実施しました。
1. 選択式チェックリストによる業務棚卸し
チェックリストの項目は、AIや仕組み化で改善しやすい作業を、具体的な場面で問いかける形にします。たとえば次のような項目です。
- 同じ内容のメールや文章を、毎回ゼロから手で打っていませんか?
- 複数のExcelやシステムから、同じ情報を転記していませんか?
- 会議のあとに、メモを見ながら議事録をまとめ直していませんか?
- マニュアルが複数あり、どれが最新か分からなくなっていませんか?
- 社内からの質問に、毎回資料を探して答えていませんか?
2. NotebookLMでマニュアルを統合する回
研修では、NotebookLMを使って社内マニュアルを統合する回を設けました。NotebookLMは、PDFやGoogleドキュメントなどの資料をソースとして登録し、その内容に基づいて質問に答えてくれるGoogleのAIツールです。
Google公式ヘルプによると、回答にはソースの該当箇所を示す引用が付き、アップロードした資料の内容に基づいて回答するよう設計されています。また、Google Workspaceの対象エディションの仕事用アカウントで利用する場合、アップロードや質問、回答は人間のレビュアーによる確認やAIモデルのトレーニングに使われないと説明されています(2026年9月時点、NotebookLM ヘルプ)。なお、NotebookLMは2026年7月に「Gemini Notebook」へ名称が変更されています(Google Workspace Updates)。
「マニュアルが複数あって、どれを見ればよいか分からない」という悩みは、チェックリストで拾い出しやすい典型的な業務の1つです。NotebookLMで資料をまとめておけば、出典を確認しながら必要な情報にたどり着けます。PDF資料のテキスト化にNotebookLMを活用した例は、E社(学習塾)の事例でも紹介しています。
「業務の棚卸しがうまく進まない」「自社に合ったAI研修を設計したい」という方は、棚卸しの方法から一緒に考えます。
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結果:研修の難易度「ちょうど良い」83.3%(回答12件の参考値)
L社の研修アンケートでは、研修の難易度について「ちょうど良い」と答えた方が83.3%でした。ただし回答数は12件と少ないため、この数値は参考値として捉えています。
難易度が「ちょうど良い」と感じられたのは、研修の題材が受講者自身の業務から出発していたことと無関係ではないと考えています。自分の仕事に関係する内容であれば、新しいツールの操作にも取り組みやすくなるからです。
担当コンサルタントのコメント
業務棚卸しで大切なのは、受講者に「考えさせる」より「気づかせる」ことです。自由記述は一見柔軟ですが、何を書けばよいか分からない人にとってはハードルが高く、結果として一部の人の意見しか集まりません。
選択式のチェックリストなら、当たり前になっていた作業にも「そういえば、これをやっている」と気づけます。その気づきが、AI研修を自分ごととして受け止めるきっかけになります。
同じ課題を持つ企業の方へのアドバイスとしては、まず5〜10項目程度の短いチェックリストから始めてみてください。完璧な項目を目指すより、回答してもらいながら項目を入れ替えていく方がうまくいきます。
今後の取り組み
棚卸しで拾い出した業務は、次に着手の順番を決める段階に進みます。CES UPでは、業務を「AIで即活用できる」「軽い仕組みが必要」「データ基盤の整備が先」の3段階に分ける方法をおすすめしています。
3段階の分類で着手の順番を決めた例は、N保育園(関西)の事例で紹介しています。また、アンケートでまず現状を測ってから優先順位をつける考え方は、社会福祉法人Fの事例もあわせてご覧ください。
同じ課題を持つ企業の方へ(よくある質問)
業務棚卸しとAI研修の設計について、よくいただく質問にお答えします。
CES UP株式会社 取締役CAIO。生成AIアドバイザー、生成AIコミュニティ「SHIFT AI」認定講師として、中小企業向けのAI研修(事前ヒアリングで業務に合わせてカスタマイズするZoomのリアルタイム講義)、生成AI顧問、業務改善ツール開発の支援に携わる。研修で終わらせず、現場での定着・ツール化まで伴走することを重視している。
CES UP株式会社(セスアップ)は、大阪を拠点に中小企業の生成AI導入・AI研修・業務改善ツール開発を支援する会社です。CS(顧客満足)とES(従業員満足)を共に高める「気持ちよく機能する仕組みをつくる」を理念としています。