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2026.09.21
【事例】J社|全国規模の不動産FC本部で全6回の実践型AI研修
※お客様のご意向により社名は仮名で掲載しています
FC(フランチャイズ)本部には、大量の情報管理、全国の加盟店対応、広報など、幅広い業務が集まります。こうした業務が一部の社員に偏ると、組織としての対応力が頭打ちになりがちです。
本記事では、関西に拠点を置く全国規模の不動産FC本部・J社で、CES UPが全6回の実践型AI研修を実施した事例を紹介します。汎用的なカリキュラムをJ社固有の業務に当てはめて設計した考え方を中心に、CES UP取締役で生成AIアドバイザーの灰藤 健吾が解説します。
- 業種・規模:不動産業(関西・全国規模のFC本部)
- 課題:1,000件を超える物件情報の管理、全国の加盟店対応、一部のベテラン社員への業務の偏り
- CES UPの支援:標準研修をFC加盟店対応・物件データ・広報記事作成に当てはめた、全6回の実践型AI研修
- 結果:受講者がツール移行時のトラブルをAIとの対話で自己解決するなど、活用エピソードが多数生まれた(定量効果は未計測)
ご支援前の課題:物件情報・加盟店対応・業務の偏り
J社が抱えていた課題は、大きく次の3つでした。いずれもFC本部という業態ならではの課題です。
- 1,000件を超える物件情報の管理:扱う情報量が多く、整理や更新に手間がかかる
- 全国の加盟店への対応:各地の加盟店とのやり取りを本部として担う必要がある
- 一部のベテラン社員への業務の偏り:経験のある社員に仕事が集中し、他の社員に分散しにくい
3つ目の「業務の偏り」は、1つ目と2つ目の課題と深くつながっています。情報量が多く対応範囲も広いほど、「分かる人に聞く」「分かる人がやる」という流れになり、特定の社員に負荷が集まるからです。
CES UPの切り口:標準研修を「その会社の業務」に当てはめる
CES UPが選んだ切り口は、標準的なAI研修の内容を、J社固有の業務に当てはめて設計することでした。これは「研修中に実務を実装する」というCES UPの支援メソッドに基づくもので、汎用カリキュラムをその会社の核心業務に合わせて組み替える考え方です。
汎用的な研修だけでは、「AIの使い方は分かったが、自分の仕事でどう使えばよいか分からない」という状態で終わりやすくなります。受講者が研修の翌日から自分の業務で試せるかどうかは、題材が自社の仕事になっているかどうかで大きく変わります。
| 観点 | 汎用的な研修 | 業務に当てはめた研修(J社で採用) |
|---|---|---|
| 題材 | 一般的な例文・架空の業務 | FC加盟店対応・物件データ・広報記事作成 |
| 受講後の状態 | 使い方は分かるが、業務への応用は受講者任せ | 自分の業務での使いどころがイメージしやすい |
| 定着 | 日常業務と切り離されやすい | 日常業務の中で使い続けやすい |
研修を一度きりで終わらせず、定着まで見据えて設計する考え方は、AI研修の効果を定着させる方法|「やって終わり」にしない5つの設計でも詳しく解説しています。
実施したこと:3つの業務領域を軸にした全6回の実践型研修
J社では、FC加盟店対応・物件データ・広報記事作成という3つの業務領域を研修の軸に据え、全6回の実践型研修として実施しました。CES UPのAI研修は、事前ヒアリングで業務内容を伺い、会社ごとにカスタマイズするのが基本です。
研修の軸にした3つの業務領域
| 業務領域 | J社の状況 | AI活用の観点(同種業務での一般例) |
|---|---|---|
| FC加盟店対応 | 全国の加盟店への対応を本部として担う | 回答文の下書き作成、よくある質問の整理、社内資料からの回答探し |
| 物件データ | 1,000件を超える物件情報を管理 | スプレッドシートでの整理方法や関数づくりをAIに相談しながら進める |
| 広報記事作成 | 本部として広報用の記事を作成 | 構成案・下書きの作成と、人による事実確認・最終チェック |
ポイントは、どの回の内容も「自社の業務ならどう使うか」に結びつけたことです。AIは質問の仕方次第で答えの質が変わるため、受講者自身が業務の文脈を説明して相談する練習が、そのまま実務での使い方の練習になります。
「自社の業務に合わせたAI研修を受けたい」「FC本部や多拠点の組織で活用を広げたい」という方は、事前ヒアリングから研修内容をご提案します。
AI顧問・AI研修・ツール開発の詳細は AIソリューション事業ページ へ
結果:受講者がAIとの対話でトラブルを自己解決
J社では研修を通じて、受講者が自分でAIを使って問題を解決する場面が多く生まれました。代表的なのは、ExcelのファイルをGoogleスプレッドシートに変換した際に起きたトラブルを、受講者がAIとの対話で自己解決したエピソードです。
このエピソードが示しているのは、AIを「文章を作る道具」だけでなく「困ったときの相談相手」として使う習慣が根づき始めたことです。業務が一部のベテラン社員に偏りやすい組織にとって、社員が自分で調べて解決できる手段を持つことは、偏りを和らげる第一歩になります。
担当コンサルタントのコメント
FC本部のように業務の幅が広い組織では、研修の題材を自社の業務にすることが特に重要だと感じています。加盟店対応・物件データ・広報記事作成は、どれも本部の外からは見えにくい業務で、一般的な例文では置き換えられないからです。
また、業務が一部の社員に偏っている会社では、「聞ける相手を増やす」ことから始めるのが現実的です。AIとの対話で自己解決できる社員が増えれば、ベテラン社員に集まっていた質問が少しずつ分散していきます。
同業の方へのアドバイスとしては、研修の前に「本部の誰に、どんな質問が集まっているか」を洗い出してみてください。それがそのまま、研修で扱うべき題材のリストになります。
今後の取り組み
研修で生まれた活用エピソードは、社内で共有することで他の社員の使い方のヒントになります。CES UPとしては、次のステップとして活用事例の社内共有と、活用度を測る仕組みづくりをおすすめしています。
効果を数値で把握するには、研修前後で同じ質問のアンケートを取るなど、まずベースラインを測ることが欠かせません。全職員アンケートで現状を可視化した取り組みは、社会福祉法人Fの事例で紹介しています。
同じ課題を持つ企業の方へ(よくある質問)
FC本部・多拠点の組織でAI研修を検討されている方から、よくいただく質問にお答えします。助成金の要件は、厚生労働省「人材開発支援助成金」の公式ページで最新情報をご確認ください(2026年9月時点で公式ページの所在を確認)。
CES UP株式会社 取締役CAIO。生成AIアドバイザー、生成AIコミュニティ「SHIFT AI」認定講師として、中小企業向けのAI研修(事前ヒアリングで業務に合わせてカスタマイズするZoomのリアルタイム講義)、生成AI顧問、業務改善ツール開発の支援に携わる。研修で終わらせず、現場での定着・ツール化まで伴走することを重視している。
CES UP株式会社(セスアップ)は、大阪を拠点に中小企業の生成AI導入・AI研修・業務改善ツール開発を支援する会社です。CS(顧客満足)とES(従業員満足)を共に高める「気持ちよく機能する仕組みをつくる」を理念としています。