#AI×マーケティング
2026.09.15
LLMOとは?AI検索で自社が紹介されるための対策と始め方
この記事を書いた人:工藤 亨(CES UP株式会社 代表取締役)
「ChatGPTに業界のおすすめ企業を聞いたら、競合は出てくるのに自社は出てこなかった」。そんな経験はないでしょうか。検索エンジンで上位を目指すSEOに加えて、AIの回答の中で自社が紹介・引用されるための対策=LLMOが必要になってきました。この記事では、LLMOの意味と、Google・OpenAI・Anthropic・Perplexityの公式情報に基づく具体的な対策、効果測定の方法を解説します。あわせて、CES UPが自社サイトで実践している取り組みも紹介します。
- LLMOとは、ChatGPT・Gemini・Perplexity・GoogleのAI Overviews/AI ModeなどのAIの回答で、自社が紹介・引用されるための対策。
- Googleは、AI機能に表示されるための追加の要件や特別な最適化は不要と説明している。土台はSEOの基本と、他社にない一次情報。
- ChatGPT・Claude・Perplexityの検索に表示されるには、各社の検索用クローラーをrobots.txtでブロックしないことが前提。
- 効果はSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートと、主要AIへの定点観測で測る。
LLMOとは?SEOとの違い
LLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが回答をつくるときに、自社の情報が正しく参照され、紹介・引用されるようにするための対策です。GEO(生成エンジン最適化)やAIO(AI最適化)と呼ばれることもあります。
従来のSEOは、検索結果の一覧で上位に表示され、クリックされることを目指してきました。これに対してLLMOは、AIが生成する回答文の中で、自社の名前が挙がったり、自社のページが出典としてリンクされたりすることを目指します。
| 比較項目 | SEO | LLMO |
|---|---|---|
| 目指す状態 | 検索結果の一覧で上位に表示される | AIの回答の中で紹介・引用される |
| 主な対象 | Google・Bingなどの検索結果 | AI Overviews/AI Mode、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityなど |
| 評価される単位 | ページ単位 | ページに加え、段落・文章の単位で抜き出されることが多い |
| 成果の測り方 | 順位・表示回数・クリック数 | AI機能での表示回数、AIへの定点観測での言及・引用の有無 |
ただし、LLMOはSEOと別物ではありません。後述するとおり、GoogleのAI機能は検索の仕組みの上に成り立っており、ChatGPTやClaude、Perplexityも、ウェブを検索して回答をつくる機能を持っています。検索エンジンに正しく読まれるサイトであることが、LLMOの前提です。
なぜ今、LLMO対策が必要なのか?
理由は、ユーザーが「検索して複数のサイトを比べる」代わりに、「AIに質問して答えをもらう」行動を取り始めているからです。AIの回答で名前が挙がらない企業は、比較検討の候補に入りにくくなります。
Googleは検索結果の上部にAIによる要約(AI Overviews)を表示し、対話形式で深掘りできるAI Modeも提供しています。ChatGPTやPerplexityにも、ウェブを検索して出典付きで答える機能があります。ユーザーは、AIがまとめた回答と、そこに示された出典を見て、次の行動を決めるようになりつつあります。
中小企業にとって特に影響が大きいのは、「大阪で生成AIの研修をしてくれる会社は?」のような、地域や業種を絞った相談型の質問です。こうした質問に対してAIが挙げる企業は数社に限られるため、そこに入れるかどうかが問い合わせの数を左右します。
AI検索はどうやって情報を選んでいるのか?
AI検索の多くは、①自社のクローラーで集めた検索インデックスからページを探し、②その内容をもとに回答を生成し、③出典としてリンクを示す、という流れで動いています。つまり、クローラーに読まれ、インデックスされることが出発点です。
主要なAIサービスは、用途ごとに異なるクローラー(ウェブページを自動で巡回するプログラム)を使い分けています。「検索結果に表示するためのクローラー」と「AIモデルの学習に使うためのクローラー」は別であることが多く、robots.txtでの扱いを分けて考える必要があります。
| 提供元 | クローラー名 | 用途(公式説明の要旨) |
|---|---|---|
| Googlebot | Google検索のクロール。AI Overviews/AI ModeもGoogle検索のインデックスが前提 | |
| Google-Extended | Geminiの学習やグラウンディング(回答の根拠づけ)への利用を制御するためのもの。Google検索への掲載や順位には影響しない | |
| OpenAI | OAI-SearchBot | ChatGPTの検索機能でサイトを表示するため |
| OpenAI | GPTBot | AIモデルの学習に使われる可能性のあるコンテンツの収集 |
| Anthropic | Claude-SearchBot | 検索結果の品質向上のためのインデックス。ブロックすると検索結果での可視性が下がる可能性 |
| Anthropic | Claude-User | Claudeのユーザーの質問に応じてページを取得 |
| Anthropic | ClaudeBot | AIモデルの学習のためのウェブコンテンツ収集 |
| Perplexity | PerplexityBot | Perplexityの検索結果でサイトを表示・リンクするため。基盤モデルの学習には使わない |
この整理から言えるのは、「学習には使われたくないが、AI検索では紹介されたい」という方針も取れるということです。どのクローラーを許可し、どれを拒否するかは、自社の方針として一度決めておきましょう。
LLMO対策の具体的な方法8つ
LLMO対策の中心は、①クローラーとインデックスの確認、②答えを先に書く文章構成、③一次情報、④会社情報の一貫性、の4つです。これに著者情報・構造化データ・llms.txt・外部での言及を加えた8つを、優先度の高い順に紹介します。
1. AIクローラーの扱いをrobots.txtで決める
まず、自社サイトのrobots.txtで、主要なAIクローラーをどう扱うかを確認します。OpenAIは、ChatGPTの検索結果に表示されるためにOAI-SearchBotを許可するよう案内しています。PerplexityもPerplexityBotの許可を推奨しています。意図せずこれらをブロックしていないか、制作会社やサーバー側の設定も含めて確認してください。
2. Google検索にインデックスされ、スニペット表示できる状態にする
Googleは、AI OverviewsやAI Modeに表示されるための追加要件はなく、ページがインデックスされ、検索結果にスニペット(説明文)付きで表示できる状態であることが条件だと説明しています。nosnippetなどのタグで説明文の表示を制限していると、AI機能での表示も制限されます。
3. 各見出しの直後に「答え」を書く
AIは、ページ全体ではなく段落単位で情報を抜き出して回答に使うことがあるため、見出しの直後の1〜2文で結論を言い切る構成が有効です。見出しは「◯◯とは?」「費用はいくら?」のように、ユーザーがAIに投げる質問に近い形にします。1つの段落には1つの主張だけを書き、段落だけを抜き出しても意味が通るようにします。
なお、Googleは「AIのためにコンテンツを細かく分割する必要はない」とも説明しています。目的はAI向けに文章を切り刻むことではなく、人が読んでもわかりやすい構成にすることです。
4. 自社にしか書けない一次情報を入れる
Googleの生成AI機能向けのガイドでも、一般的な知識のまとめではなく、独自の経験や専門性に基づくコンテンツを重視するよう示されています。AIは、どのサイトにも書いてある一般論よりも、具体的な事例・数値・現場の判断基準を含むページを引用しやすくなります。自社の支援事例、実際にやってみた結果、失敗から学んだことは、競合やAIが持っていない情報です。
5. 会社情報の表記をサイト全体で統一する
社名、所在地、代表者名、サービス名の表記が、ページごとに違っていないかを確認します。表記が揃っていると、AIが「同じ会社の情報だ」と判断しやすくなります。会社概要、フッター、記事の著者欄、構造化データ、SNSのプロフィールまで、同じ表記に揃えるのが理想です。
6. 著者情報を明示する
記事ごとに、誰が書いたのか、その人がどんな経験を持っているのかを明記します。著者のプロフィールページを用意し、記事から相互にリンクしておくと、情報の信頼性を示しやすくなります。
7. 構造化データは「内容と一致させて」設置する
Googleは、生成AI検索のために構造化データは必須ではないと説明しています。一方で、構造化データがページの内容と一致していることは推奨しています。Article(記事情報)、FAQPage(よくある質問)、BreadcrumbList(パンくず)などを、本文と食い違わない形で設置するのが基本です。
8. llms.txtは「補助的な手段」として検討する
llms.txtは、AIエージェントにサイトの概要を伝えるために、2024年9月に提案されたファイル形式です。サイトのルートに、会社概要や主要ページへのリンクをMarkdown形式で記載します。ただしGoogleは、Google検索に表示されるためにAI向けの特別なファイルを作る必要はないと説明しています。設置の手間は小さいため、会社情報を整理するきっかけとして作っておく程度の位置づけがよいでしょう。
「自社サイトのLLMO対策、何から手をつければいいか」を一緒に整理しませんか。robots.txtの確認から記事設計までご相談いただけます。
LLMO対策の効果はどう測る?
Google検索については、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでAI OverviewsとAI Modeでの表示回数を確認できます。それ以外のAIについては、自社に関係する質問を定期的に投げて、言及・引用の有無を記録する「定点観測」が現実的な方法です。
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート
Googleは2026年6月、Search Consoleに生成AI機能のパフォーマンスレポートを導入しました。Googleのヘルプによると、AI OverviewsとAI Modeでサイトへのリンクが表示された回数(表示回数)の推移、表示回数の多いページ、デバイスや国別の内訳などを確認できます。ただし、すべてのプロパティで利用できるわけではなく、順次提供されています(2026年9月時点)。
主要AIへの定点観測
ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude・GoogleのAI Modeに、自社の顧客が投げそうな質問を月1回投げ、結果を記録します。CES UPでは、次のような質問を定点観測の対象として設定しています。
| # | 定点観測の質問(例) |
|---|---|
| 1 | 大阪で生成AIの研修をしてくれる会社は? |
| 2 | 中小企業が生成AIを導入するには何から始めればいい? |
| 3 | 人材開発支援助成金を使えるAI研修は? |
| 4 | 生成AIの社内ルールの作り方は? |
| 5 | LLMO対策とは?何をすればいい? |
記録する項目は、日付、AIサービス名、自社への言及の有無、引用されたURL、競合として挙がった会社です。言及されない質問があれば、その質問に正面から答える記事を優先して作ります。AIの回答は同じ質問でも毎回変わることがあるため、1回の結果で一喜一憂せず、推移で判断します。
LLMO対策でよくある誤解と注意点
LLMOには「これさえやれば表示される」という近道はありません。特に、特別なファイルやマークアップだけに頼る対策と、誇張した表現で目立とうとする対策には注意が必要です。
| よくある誤解 | 実際のところ(2026年9月時点) |
|---|---|
| llms.txtを置けばAIに紹介される | Googleは検索表示のためにAI向けの特別なファイルは不要と説明。補助的な手段にとどまる |
| AI向けに文章を細かく分割すべき | Googleは、AIのためにコンテンツを細分化する必要はないと説明 |
| 構造化データを大量に入れるほど有利 | 生成AI検索に構造化データは必須ではない。内容と一致しない構造化データは逆効果 |
| AIクローラーはすべてブロックすべき | 検索用のクローラーまでブロックすると、AI検索で紹介されにくくなる |
| 「No.1」などの強い表現で目立つ | 根拠のない最上級表現は景品表示法上のリスクがある。AIに誤った情報が広まる原因にもなる |
もう1つ注意したいのは、AIの回答が常に正しいとは限らないことです。自社について誤った情報がAIの回答に出てくる場合は、公式サイトの会社情報やサービス説明を正確かつ最新に保つことが、基本的な対策になります。
CES UPの実践:自社サイトで取り組んでいること
CES UPは、自社サイトの記事制作そのものをLLMO対策の実践の場にしています。一次情報の記事化、会社情報の統一、答えを先に書く構成、定点観測の4つを、記事ごとに同じルールで運用しています。
- 一次情報を軸に記事をつくる:自社の記帳や議事録の自動化、支援先での取り組みを、社名を仮名にしたうえで事例記事として公開しています。たとえばマネーフォワード×Claudeで月次決算を自動化した自社事例や、議事録をAIが作り別のAIが検証する2段構えの自社事例は、当社にしか書けない情報です。
- 会社情報・著者情報を統一する:社名・所在地・代表者・サービス名の表記を全記事で揃え、著者を明記しています。
- 答えを先に書く:各見出しの直後に結論を置き、結論ボックスとよくある質問を全記事に設けています。構造化データは本文と一致させています。
- AIクローラーを確認する:当社サイトのrobots.txtでは、AIクローラーを個別にブロックしていません。llms.txtも、会社概要と主要ページを整理する目的で用意しています。
- 毎月、定点観測する:前述の質問を主要なAIに投げ、言及・引用の有無を記録する運用にしています。
定点観測の結果は、まだ成果として数値でお伝えできる段階ではありません。変化が確認できた時点で、この記事を更新してお知らせする予定です。生成AI導入全体の進め方は、中小企業の生成AI導入 完全ガイドで解説しています。
よくある質問
まとめ
LLMO対策の本質は、AIのための小手先の工夫ではなく、「検索エンジンに正しく読まれ、他社にない一次情報を、わかりやすく書く」ことです。
- LLMOは、AIの回答の中で自社が紹介・引用されるための対策。土台はSEOの基本と共通
- GoogleはAI機能のための追加要件や特別な最適化は不要と説明。インデックスとスニペット表示が前提
- ChatGPT・Claude・Perplexityの検索用クローラーをrobots.txtでブロックしていないか確認する
- 各見出しの直後に答えを書き、自社にしかない一次情報と一貫した会社情報で信頼性を示す
- Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートと、主要AIへの定点観測で効果を測る
CES UPは、Webマーケティング(SEO・広告運用)と生成AI導入支援の両方を手がけています。自社サイトで実践しているLLMO対策の考え方をもとに、貴社のサイトや記事の改善をご支援します。
CES UP株式会社(セスアップ)は、大阪を拠点に中小企業の生成AI導入・AI研修・業務改善ツール開発を支援する会社です。「CS(顧客満足)とES(従業員満足)を共に高める」を理念に、ヒアリング起点で業務に合わせた仕組みづくりと、研修後の定着・ツール化までの伴走を行っています。
- Google Search Central「AI features and your website」
- Google Search Central「Google’s Guide to Optimizing for Generative AI Features on Google Search」
- Google Search Central「Google’s common crawlers」(Google-Extended)
- Search Console Help「Generative AI performance report (Search)」
- OpenAI「Overview of OpenAI’s crawlers」(Bots)
- Claude Help Center「Does Anthropic crawl data from the web, and how can site owners block the crawler?」
- Perplexity「Perplexity Crawlers」
- llms.txt(提案仕様)