#LLMO対策・AIマーケティング
2026.11.05
士業のLLMO対策|税理士・社労士・行政書士・弁護士がAIに相談先として紹介されるためにやること
「相続税の申告を税理士に頼むといくら?」「助成金の申請を代わりにやってくれる社労士は?」「建設業許可は自分で取れる?」。士業への相談の前に、こうした疑問をChatGPTやGoogleのAIに聞く人が増えています。
AIは、答えを作るときに参考になるページを探し、事務所の名前を挙げることもあります。この記事では、税理士・社労士・行政書士・弁護士などの事務所が、AIに相談先として紹介されるために何を書けばよいかを、当社の調査と支援の経験をもとに解説します。
- 士業のLLMO対策は、相談者が依頼の前に聞く疑問に、お客様の言葉で答えておくこと
- 当社の調査では、税理士を探す質問でGoogleのAIによる概要が表示され、紹介・検索サイトと、料金や対応分野を書いた事務所の公式ページが参考にされていた
- 書いておきたいのは、得意分野・報酬の目安・相談から依頼までの流れ・対応エリア・オンライン対応の可否
- 解決事例は依頼者が特定されない形で。各士業の会の広告の規程も確認する
士業のLLMO対策とは
士業のLLMO対策(AI検索対策)とは、ChatGPTやGoogleのAIによる概要・AIモードが、税金・労務・許認可・法律の相談に答えるときに、事務所のページを参考にしたり、事務所の名前を挙げたりしてもらえるように、サイトの情報を整えることです。

士業のサイトは、業務の説明が専門用語のままになっていることが少なくありません。「相続税申告」「就業規則の作成」と書かれていても、相談者は「親が亡くなったら何をすればいい?」「従業員が10人を超えたら何が必要?」と聞きます。相談者の言葉と、事務所の言葉の間にあるずれを埋めることが、士業のLLMO対策の中心です。

相談者は、AIに何を聞いているか
| 士業 | AIに聞かれる質問の例 | 事務所のサイトに書いておきたいこと |
|---|---|---|
| 税理士 | 相続税の申告を頼むといくら?/創業1年目でも顧問は必要? | 業務ごとの報酬の目安、得意な業種・分野、記帳代行の範囲 |
| 社労士 | 助成金の申請を頼める社労士は?/従業員が10人を超えたら何が必要? | 対応できる助成金、報酬の決まり方(着手金・成功報酬)、就業規則の作成の流れ |
| 行政書士 | 建設業許可は自分で取れる?頼むといくら?/ビザの申請は誰に頼む? | 許認可ごとの費用の目安と期間、必要書類、自分で申請する場合との違い |
| 弁護士 | 相続でもめたら、どこに相談すればいい?/顧問弁護士の費用は? | 取り扱う分野、相談料・着手金の考え方、初回相談の方法 |
どの士業でも共通するのは、「いくら」「どれくらいの期間」「何を準備すればいいか」の3つです。相談者がいちばん知りたいのに、事務所のサイトに書かれていないことが多い情報です。
当社の調査:税理士の質問で、AIは何を参考にしていたか
当社は2026年10月、大阪の20業種・60の質問をGoogleで調べ、AIによる概要に何が表示されるかを記録しました。税理士を探す3つの質問では、次のことがわかりました。

AIによる概要の最後は「地域や相談内容を教えてください」と聞き返す形が多く、相談の条件を細かく聞かれることも特徴でした。
つまり、AIは「どの事務所がよいか」を、紹介サイトと事務所の公式ページの両方から判断しています。公式サイトに料金や得意分野が書かれていない事務所は、紹介サイトの情報だけで比べられることになります。調査の全体は独自調査の記事で紹介しています。
士業の事務所がやること6つ
「初回の相談でよく聞かれること」を20〜30問書き出します。専門用語に言い換えず、相談者が実際に使った言葉のまま残すのがポイントです。
「相続税の申告」「建設業許可」のように業務ごとにページを分け、最初の2〜3行で「誰が・いくらで・どれくらいの期間で」を答えます。AIは、質問に正面から答えている文章を参照しやすくなります。
すべての報酬を載せる必要はありませんが、目安と、金額が変わる条件(財産の額、従業員数、書類の量など)は書いておきます。目安がないと、AIは比べる材料を持てません。
初回相談の方法(来所・オンライン・電話)、相談料の有無、依頼までの日数、対応できる地域をまとめます。「オンラインで全国対応」なのか「◯◯県内のみ」なのかは、AIが条件に合うかを判断する材料になります。
所属する会、登録番号、資格者の経歴と得意分野を書きます。誰が対応するのかがわかる情報は、AIにとっても相談者にとっても、信頼の材料です。
調査でわかったとおり、AIは紹介・検索サイトも参考にしています。登録している場合は、公式サイトと同じ内容(得意分野・報酬・エリア)にそろえます。Googleビジネスプロフィールの営業時間やサービス内容も最新にしておきます。
広告の規程と、守秘義務で気をつけること

士業は、それぞれの会が業務広告についての規程や指針を定めています。たとえば弁護士は、日本弁護士連合会の業務広告に関する規程に従う必要があります。サイトの記事やFAQも広告にあたるため、書く前に所属する会の規程を確認してください。
- 結果を約束しない:「必ず認められます」「◯%減額できます」のような表現は避けます
- 根拠のない比較や最上級の表現を使わない:「地域No.1」「最安」などは、根拠を示せない限り書きません
- 依頼者が特定されないようにする:解決事例は、業種・地域・金額などをぼかし、必要に応じて同意を得たうえで載せます
- 相談内容をAIツールに入れるときのルールを決める:事務所の中でAIを使う場合も、守秘義務を踏まえた使い方を決めておきます
当社は、法律事務所での生成AIの導入(手書きメモの読み取りや書面作成の効率化)もお手伝いしており、守秘義務を踏まえた運用のご相談にも対応しています。詳しくはB法律事務所の事例をご覧ください。
効果の測り方
| 見るもの | 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|---|
| GoogleのAI機能での表示 | Search Console「検索の生成AI機能」レポート | 表示回数の変化、表示が多い業務ページ |
| AIからの訪問と問い合わせ | GA4(参照元:chatgpt.com など) | 問い合わせ・相談予約につながった数 |
| AIの答えでの挙がり方 | 実際にAIに質問して記録 | 質問・日付・挙がった事務所をセットで記録 |
士業の事例ではありませんが、当社が支援しているレンタカー会社では、ChatGPT経由の訪問で電話・LINEボタンが押された割合が、Google検索経由の約9倍になりました(長野ビジネスレンタカー様の事例)。条件をAIとのやりとりで比べ終えた人が来るため、問い合わせにつながりやすいのは、士業も同じだと考えています。
よくある質問
まとめ
士業のLLMO対策は、相談者が依頼の前に抱く「いくら・どれくらい・何を準備すれば」に、相談者の言葉で、規程に沿って答えておくことです。紹介サイトに任せきりにせず、事務所の公式サイトに得意分野と報酬の目安を書くことで、AIに相談先として挙げてもらえる可能性が高まります。